いまさらなにを~って笑われるかもしれませんが…
うちらにとっても、お座敷って、とっても楽しいんです。 ですがそんな気持ちになる迄、数年かかりました。
成人になりお神酒(おみき)を座敷でいただけるようになって楽しむ事を知りました。
しかし、未成年でお酒が飲めない頃、病弱だったうちは、半月に一度は熱を出したり、風邪をひいたりして、朝、屋形に行き白粉を塗り浴衣を来て踊りのお稽古に行き屋形に戻り舞妓の着物を着せていただき、お昼のお座敷に向かいます。14時ぐらいにはお昼のお席が終わり、小唄・三味線の稽古に、長唄・三味線の稽古、つるやに戻り食事をし時間が少しあったら部屋で少し寝て夕方の座敷へ。
ま、10時ぐらい迄のお仕事でしたが、毎日ヘトヘトです。
舞妓の衣装は重く、当時体重が35キロもないうちには重労働で、
そんな時菊水楼のお昼の座敷に向かっているとき、
菊水楼手前の石子詰め菩提院大御堂の前で1人の女性とすれ違いました。
いつものように写真を撮りたいとおっしゃられるのかなと思いきや眺めなながらも通り過ぎましたが後ろから走ってこられ…。
「舞妓さーん!頑張ってくださいね。…なんだかとても辛そうに歩いてたんで…」
あの場所を昼間に通るといつも思い出します。あの頃のうちはプロ失格でしたね~(笑)そんな他の方に疲れやつらそうな顔を見せたり感じさせてしまうとは…
だから、今もあの場所を通って、菊水楼や四季亭さんのお座敷に向かうとき(今はコロナでお座敷ないですが(笑))、そのエピソードを思い出し、初心に帰り、プロなんやから疲れた時こそ、楽しそうに!って。きっと皆さんにもそういったエピソードあるんではないでしょうか?
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